会社やサービスの立ち上げ間もない時期、要件を固めてイチからサイトを構築しようとすると、想像以上に多額の費用や時間、労力がかかってしまいます。でも、サービスのアイディアは日々更新されるもの。そのアイディアを“試す場”として、うまく「New Standard」を活用してくださっているのが、株式会社ブランドファーマーズ・インク様。日々どのように運用しているのか、代表の安田さんと、運用担当者の古江さんにおうかがいしました。
<お話をうかがった人>
株式会社ブランドファーマーズ・インク(HP)
安田佳生さん(代表取締役)
古江里菜さん(サイト運用担当)
企業の「バリュー・スイッチ」を一緒に探る事業
——御社のサイトには「こだわり相談ツアー」などをはじめ、ユニークなコンテンツが並んでいますよね。実際のところ、どんな事業を展開しているのでしょうか。
安田佳生さん(以下、敬称略):私たちが掲げている大きなテーマは、「求心力のある、おもしろい中小企業を生み出す」こと。企業自体に求心力があれば、働きたい人はもちろん、お客さんも自然と集まってくるものですから。
それは私自身が、これまでずっと採用の仕事をしてきたなかで実感している本質的な部分ですね。(※安田さんは、元 株式会社ワイキューブの代表取締役社長) ブランドファーマーズ・インクでは、その支援をしています。
——具体的には、どんなお客さまに、どんなサービスを提供していますか?
安田:あえてよく知られている言葉でサービスを表現すると、「ブランディング」になるのかもしれません。でも「ブランディングを頼みたい」というお客さまは、実はほとんどいないんですよね。
ちゃんと利益を出しているけど、「もっと社員がイキイキ働けるような会社にしたい」「働く社員がやりがいを感じられる会社にしたい」——。そうした課題について相談をいただき、一緒に新しい価値を見つけていくようなイメージです。
まずは今の会社の状況について詳しくヒアリングしていき、事業の軸をとらえます。そのうえで、その軸をちょっとだけズラして、新しい価値を生み出していく。
私たちはそれを、「バリュー・スイッチング」と呼んでいます。バリュー・スイッチを提供する会社なので、「リバリューション・ファクトリー」である、と。
——コンサルティングのようなイメージでしょうか。
ほとんどの人がそう思っているようなんですが、私自身はそれがイヤなんですよね(笑)。何かをアドバイスして、会社側に実行してもらうのがコンサルタント。でも私は、みなさんに代わってアイディアを考えるところから、実際に手を動かすところまでやる。
新しい事業のコンセプト、ネーミングを作るのはもちろん、ロゴやウェブサイト、パンフレットなどのクリエイティブ、店舗設計、そのほか必要なことはすべて手がけます。
自分たちでスピーディーに、さまざまなページを試したかった
——New Standardを導入してサイトを構築し、集客をはじめた経緯を教えてください。
安田:2014年11月に会社を立ち上げたとき、デザイナーさんに依頼してサイト一式を作ってもらいました。また、私が直接、経営についての相談に乗る「こだわり相談ツアー」もはじめたんです。当時の集客はもともとあった私自身のブログ。しばらくはこのブログを集客のフックとしていました。
WEBサイトのほうは、更新しようとするたびに、デザイナーさんに依頼しなければならなくて。もう少し手軽に情報を発信したかったんですよね。会社として取り組むことも固まりつつあった時期なので、なおさらでした。
ちょうどその頃、Web集客について古越さん(ninoya 代表取締役)に相談していたんです。それで、会社としてもブログを用いて情報発信と集客をしていこう、ということになり、彼からの紹介で、New Standardを試すことにしました。2016年7月頃ですね。
——導入してみて、いかがでしたか?
安田:新たなサービスの切り口や集客の入り口など、試してみたいことは常にたくさんあります。それを自分たちで手軽に更新できるので、試験的にいろいろなLP(ランディングページ)を作り、それに対する反応をすぐに確認できるようになりました。
集客の動線は、3〜4つほど試したうちの1つが成功すれば良い方だと思います。だからこそ、スピーディーにどんどん展開していきたい。簡単に考えていることを試せるのは、マーケティング的にもとても大きいですね。
——実際にページを作成しているのは古江さんということですが、New Standardの機能面についてはいかがでしょうか。
古江里菜さん(以下、敬称略):私はそもそも、WordPressにテキストと画像を投稿するくらいの知識しかありませんでした。そのうえWordPressのテンプレートは海外のものが多いので、いざ使おうとしてもカスタマイズ方法がよくわからなくて。
でもNew Standardは日本語で説明もありますし、とてもわかりやすかったですね。いろいろと触ってみている間に、そこまで大きな苦労はせずに、操作を覚えられました。
思いがけない機能を活用し、物販ページを実現
——サイトを変えてから、実際に手応えや成果を感じている点はありますか?
古江:とにかく安田が「やりたい!」ということを、社内ですぐに叶えられるようになりました。とりあえず全部、実践する。ダメだったら取り下げればいい、と。だから今、一旦取り下げた非公開ページも相当な数になっています(笑)
安田:いろいろと試したうち、作成してみたページから、成果が生まれはじめたものもありますね。アップするページはすべて、下部に問い合わせフォームを設置しています。ページ内でクロージングまでできるようになり、オフィスの見学ができる「BFI探検ツアー」などは特に、コンスタントに問い合わせがくるようになりました。
——「EC機能」から生まれたコンテンツもあるとうかがいました。
安田:そうなんです。はじめはEC機能までついていると思っていなくて。てっきり別料金のオプションだとばかり思っていたんです。それがすぐにできるとわかったら、何かやりたくなってしまった(笑)。それが「境目あーと?」です。
メルマガで配信してきた私のコラムと、アーティスト・蝦名龍郎さんのイラストを使ったアート作品を、EC機能を活用して売り出してみました。
古江:メルマガとFacebookで告知しただけなのに、すぐに売り切れてしまってびっくりしましたね。EC用のページを作るのにかかった時間も、1日くらいですみました。
世の中には、“ビジネスの入り口”がまだまだある
——New Standardを1年使ってみての感想を聞かせてください。
安田:サイトをイチから作るとき、みんな何百万円もかけて一気に完成形を目指そうとするじゃないですか。でもそうすると、肝心の「売り方」を試す予算が残らなくなってしまう。New Standardが優れているのは、そこだと思います。自分たちでテストできる。反応や成果を試せる。そうすれば、いろいろな入り口が見つかると思うんです。
しかも、思いついたアイディアをすぐ実行に移せるのがいいですよね。要件を固めて、デザインを外部に依頼して……という従来のプロセスを辿ろうとすると、どんなに早くてもサイトができるまでに1ヶ月くらいかかりますから。その間に、自分の気持ちが冷めていってしまうじゃないですか。
古江:運用担当者としては、とにかく「いろいろ試してみよう」という意識になれるのがいいですよね。「全然わからない」状態ではなく、「これだったら私にもできる。ちょっとやってみようかな」と前向きに思える感じ。これからもいろいろやってみよう、と思っていることがたくさんあります!
——ぜひ、これからも活用していただけたらうれしいです。本日はありがとうございました!
文・構成:大島 悠
http://magazine-yu.com/
*New Standardで制作しています